病気のはなし
消化管悪性リンパ腫
大橋 暁
1
,
神部 隆吉
1
,
水野 聡己
1
,
佐々木 昌輝
1
,
中島 成隆
1
,
吉村 透
1
,
丹羽 康正
2
,
後藤 秀実
2
1名古屋掖済会病院消化器科
2名古屋大学大学院医学系研究科消化器内科学
pp.630-634
発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101760
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サマリー
消化管悪性リンパ腫は胃を原発とするものが多く,病理組織学的にはB細胞性非Hodgkinリンパ腫が多い.代表的なものはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫および粘膜関連リンパ組織(mucosa-associated lymphoid tissue,MALT)リンパ腫である.悪性リンパ腫の臨床経過・予後,治療方針は病理組織学的悪性度および臨床病期により大きく異なる.低悪性度のリンパ腫は予後良好で長期生存が期待できるのに対し,高悪性度のリンパ腫や進行期のリンパ腫は放射線治療や多剤併用の化学療法が施行されるが,予後は低悪性度のものに比べ不良である.胃MALTリンパ腫はHelicobacter pylori(H. pylori)除菌療法が第一選択である.遺伝子転座を有するものは除菌療法に抵抗性であるが,臨床的な悪性度は低い.除菌療法が無効であった症例には放射線治療が施行され,良好な成績を得ている.
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