トピックス
婦人科悪性腫瘍における自己血輸血の有用性
木村 英三
1,2
1東京慈恵会医科大学
2東京慈恵会医科大学附属第三病院産婦人科
pp.1422-1424
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101665
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はじめに
婦人科悪性腫瘍としては子宮頸癌,子宮体癌,卵巣癌などが代表的な疾患である.近年,ウイルスなどに対するスクリーニングの精度の向上,放射線照射などにより同種血輸血の安全性は高まってきているが,輸血感染症やGVHD(graft-versus-host disease,移植片対宿主病)などの副作用を全くなくすには至っていない.婦人科領域でも,上記疾患の手術において輸血を余儀なくされる場合も多く,術前の正確なインフォームドコンセントに基づいて自己血輸血を希望する患者が増加している.しかし,一般に女性の悪性腫瘍患者は貧血を伴っている場合も多く,貯血に不適当な場合も少なくない.
本稿では,主に術前貯血式自己血輸血の有用性と問題点を同種血輸血と比較した生存率,術後免疫能の面も含めて解説する.
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