増刊号 包括医療と臨床検査
第2章 各論―疾患の診断治療のために最小限必要な検査
3.インフルエンザなど感冒関連疾患
星野 直
1
,
黒崎 知道
2
1千葉県こども病院感染症科
2千葉市立海浜病院小児科
pp.982-985
発行日 2003年9月15日
Published Date 2003/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101557
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はじめに
感冒関連疾患(かぜ症候群)は,上気道の炎症を主体とした急性呼吸器疾患の総称で,日常診療において最もありふれた疾患の1つに数えられる.しかし,その原因病原体はウイルスを主体に,細菌からマイコプラズマ,クラミジアまで多岐に渡り,特にウイルスの血清型は200種類を超えるとされ(表1),正確な病因診断を下すことは容易ではない.その一方で,抗菌薬や抗ウイルス薬の適応となる疾患は限られているため,時間的に制約のある外来診療のなかで,数多くの原因病原体のなかから,治療対象となる疾患を選別しなくてはならない.特に,疾患群別包括支払い方式(diagnosis-related groups/prospective payment system;DRG/PPS)が導入された場合には,医療費全般の削減が求められるため,検査にも効率化が求められる.本稿では,その点を踏まえ,インフルエンザを含む感冒関連疾患について,診断・治療を進めるうえでの検査の要点を述べる.
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