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臨床検査技師国家試験(以下,技師国試)の問題が公表された.今回の技師国試での特徴は五肢複択形式(Xタイプ)・正解2つ(X2タイプ)の増加と(おそらく)正解率の低下であろう.X2タイプの増加は,渡辺清明委員長から2000年に提言された改善報告書に基づいてのことであろう.この改善報告書で出題形式の見直しとして,単純択一形式(Aタイプ)の出題の増加とXタイプの導入を提言している.X2タイプは2002年が12題であったのに対して本年は32題と急激な増加である.確かに解答コードから正解を選択できる形式(Kタイプ)・正解2つ(K2タイプ)では選択肢の1つが正解とわかる場合には,正解の確率が30数%となることが報告されており,X2タイプを採用するのは適切な対応とは考える.しかし,医師国家試験では臨床症例問題の長文問題に限定しており,技師国家試験でも同様に,症例問題あるいはこれに準じた問題,例えば1つの領域だけでは5つの選択肢が作成できず,選択肢が2つの領域にまたがる場合など,に限定するなどの対応が必要であろう.
次に問題が多少難しい点が挙げられる.前記の改善報告書でも出題内容に触れ,知識の想起型問題(taxonomy I)から適切な情報を獲得する能力を評価する解釈型の問題(taxonomy II)や適切に分析する能力といった応用力を評価する問題解決型の問題(taxonomy III)への移行・充実を提言している.解釈型や問題解決型の問題が増加して“難しい”印象となるなら構わないが,今回は,深い想起知識の問題が出題されている.“教科書”に記載されているという理由だけで,教科書でも文字サイズを小さくしている“重箱の隅をつつく”内容の問題が出題されている.Aタイプの問題では同等な内容の選択肢を5つ作成しなければならず,難解な選択肢が“混入”することは致しかたないことかもしれないが,一度国家試験に出題されると“Gold Standard”になり,教育現場での混乱も起こしかねない.
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