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抗VRE抗菌薬
宮崎 修一
1
1東邦大学医学部微生物学講座
pp.151-153
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101338
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リネゾリド(linezolid),quinupuristin/dalfopristinがvancomycin-resistant Enterococcus faeciumを適応菌種とした抗VRE抗菌薬である.また,現在開発中のテトラサイクリン系のtigecyclineも抗VRE作用を示すので,これら抗菌薬の特徴の概要を述べる.
■各抗菌薬の作用機序
リネゾリドはオキサゾリジノン系抗菌薬であり,その基本構造を図1に示す.この抗菌薬は各種抗菌薬耐性菌を含むグラム陽性菌に対して強い抗菌活性を示すが,グラム陰性菌に対しては抗菌活性が認められない.その作用機序は,50Sリボソームに結合することにより50Sと30Sリボソームの複合体形成(70Sリボソーム)を阻止し,細菌細胞の蛋白合成が阻害される.また,その作用の特異性から,他の蛋白合成阻害薬との間に交叉耐性は生じないといわれている.
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