Laboratory Practice 病理:細胞像からここまでわかる
乳腺(5)―特殊型乳癌:浸潤性小葉癌
都竹 正文
1
,
秋山 太
2
1癌研究会附属病院細胞診断部
2癌研究会研究所病理部
pp.128-131
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101331
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特殊型乳癌:浸潤性小葉癌
乳癌取扱い規約(改訂第14版,2000年9月)では,乳腺腫瘍の組織学的分類(表,2002年7月号参照)では,Ⅰ. 上皮性腫瘍はA. 良性腫瘍,B. 悪性腫瘍に分類され,さらにⅡ. 結合織性および上皮性混合腫瘍,Ⅲ. 非上皮性腫瘍,Ⅳ. 分類不能腫瘍,Ⅴ. 乳腺症,Ⅵ. 腫瘍様病変に分類されている.悪性腫瘍は1. 非浸潤癌,2. 浸潤癌,3. Paget病に分類されている.1. 非浸潤癌はa. 非浸潤性乳管癌とb. 非浸潤性小葉癌に細分類されている.2. 浸潤癌はa. 浸潤性乳管癌とb. 特殊型に分類され,浸潤性乳管癌は,さらにa1. 乳頭腺管癌,a2. 充実腺管癌,a3. 硬癌に亜分類されている.b. 特殊型はb1. 粘液癌,b2. 髄様癌,b3. 浸潤性小葉癌,b4. 腺様嚢胞癌,b5. 扁平上皮癌,b6. 紡錘細胞癌,b7. アポクリン癌,b8. 骨・軟骨化生を伴う癌,b9. 管状癌,b10. 分泌癌,b11. その他に亜分類されている.悪性腫瘍のうち,非浸潤癌,湿潤癌の発生頻度は非浸潤癌約10%,浸潤癌90%の割合である.浸潤癌のうち,浸潤性乳管癌の発生頻度は乳癌全体の約80%で,乳頭腺管癌約20%,充実腺管癌約20%,硬癌約40%で1:1:2の関係である.特殊型は乳癌全体の約10%で,粘液癌約4%,浸潤性小葉癌約4%,その他全部合わせて約2%と極めて少数である.
今回は特殊型乳癌の浸潤性小葉癌を取り上げ解説する.
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