Laboratory Practice 病理 細胞像からここまでわかる
乳腺(4)浸潤性乳管癌:粘液癌
都竹 正文
1
,
秋山 太
2
1癌研究会附属病院細胞診断部
2癌研究会研究所病理部
pp.1404-1407
発行日 2002年12月1日
Published Date 2002/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906459
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浸潤性乳管癌:粘液癌
乳癌取扱い規約(改定第14版,2000年9月)では,乳腺腫瘍の組織学的分類(表,7月号参照)では,I.上皮性腫瘍はA.良性腫瘍,B.悪性腫瘍に分類され,さらにII.結合織性および上皮性混合腫瘍,III.非上皮性腫瘍,IV.分類不能腫瘍,V.乳腺症,VI.腫瘍様病変に分類されている.悪性腫瘍は1.非浸潤癌,2.浸潤癌,3.Paget病に分類されている.1.非浸潤癌はa.非浸潤性乳管癌とb.非浸潤性小葉癌に細分類されている.2.浸潤癌はa.浸潤性乳管癌とb.特殊型に分類され,浸潤性乳管癌は,さらにa1.乳頭腺管癌,a2.充実腺管癌,a3.硬癌に亜分類されている.b.特殊型はb1.粘液癌,b2.髄様癌,b3.浸潤性小葉癌,b4.腺様嚢胞癌,b5.扁平上皮癌,b6.紡錘細胞癌,b7.アポクリン癌,b8.骨・軟骨化生を伴う癌,b9.管状癌,b10.分泌癌,b11.その他に亜分類されている.悪性腫瘍のうち,非浸潤癌,浸潤癌の発生頻度は非浸潤癌約10%,浸潤癌90%の割合である.浸潤癌のうち,浸潤性乳管癌の発生頻度は乳癌全体の約80%で,乳頭腺管癌約20%,充実腺管癌約20%,硬癌約40%で1:1:2の関係である.特殊型は乳癌全体の約10%で,粘液癌約4%,浸潤性小葉癌約4%,その他全部合わせて約2%と極めて少数である.
今回は特殊型乳癌のなかで比較的頻度の高い粘液癌を取り上げ解説する.
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