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クレアチニンの測定―Jaffé法から酵素法への変遷
佐藤 悦子
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1(株)三菱化学ヤトロン
pp.1502-1503
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101274
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[クレアチニンとは?]
臨床検査では日常的に測定される項目であるクレアチニン(creatinine,Cre)とはどんな物質か振り返ってみよう.Cre(1-メチルグリコシアミジン;C4H7N3O)は1871年に尿より発見された,分子量113.12の物質である.体内では腎でグアニド酢酸が合成され,肝で酵素の作用によりクレアチンを生成,ほとんどが筋肉に移行し,CK(creatine kinase,クレアチンキナーゼ)の作用により高エネルギー化合物であるクレアチンリン酸合成の材料となり,エネルギーの貯蔵を行っている.筋肉収縮時にエネルギーを必要としたときCKの作用でリン酸を提供し,自らは再度クレアチンとなる.次いで脱水してCreになり,最終的に老廃物として尿中に排泄される.
[Cre測定の目的は?]
Creは体の筋肉量に比例してほぼ一定に排泄,腎糸球体で濾過され,ほとんどが再吸収されることなく尿中に排泄されることから,腎機能マーカー,GFR(glomerular filtration rate,腎糸球体濾過量)評価のためのCcr(クレアチニンクリアランス)測定に用いられている.GFRのゴールドスタンダードはCin(イヌリンクリアランス)といわれているが,一般にCcrが代用されている.腎クリアランスを求めるときは正確な採尿が測定結果の信頼性を左右する.
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