検査じょうほう室 〈一般検査●変な検体〉
尿中変形細菌の“こぶ”って
樋口 まり子
1
1静岡済生会総合病院臨床検査科
pp.150-151
発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101197
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尿沈渣を鏡検していて,細くて長い紐状の物体を観ることはありませんか?何だろう?真菌かな?それにしては細すぎる.おまけに,よく観察すると,中央部にあたかも紐を結んだかのような“こぶ”を認める場合もある.周辺には細菌や白血球,また,好中球の裸核も認められ,尿路感染症が継続していることが推察される.
この紐状の物体は抗生物質の細胞壁合成障害によって生ずるフィラメント型変形細菌であり,β-ラクタム系抗生物質の長期投与後に出現することがあるといわれている.
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