増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査
各論
3.免疫血清検査
ノート 抗リン脂質抗体症候群の臨床検査
鏑木 淳一
1
1東京電力病院内科
pp.1215-1217
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101090
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はじめに
抗リン脂質抗体は,基礎的には,その抗原に対する特異性が多様であることが明らかにされてきた1,2).すなわち,本抗体は,カルジオリピンなどのリン脂質のみならず,β2-グリコプロテインI(β2-glycoprotein I,β2-GPI),プロトロンビンなどのリン脂質に結合する蛋白質にも反応する.
抗リン脂質抗体は,臨床的には,血栓症に対する後天性危険因子のひとつとして把握され,抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome,APS)という疾患概念が確立されてきた.現在,抗リン脂質抗体は,40歳以下でみられる動静脈血栓症(脳梗塞,深部静脈血栓症など),習慣流産といった妊娠合併症の症例では測定されるべき検査となった.
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