増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査
各論
1.血液検査
2 フローサイトメトリーによる白血病タイピング
米山 彰子
1
1虎の門病院臨床検体検査部
pp.1078-1082
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101054
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はじめに
血球の種類や分化段階により細胞表面や細胞質内抗原の発現が異なる.白血病細胞など,腫瘍化した細胞においてもその正常対応細胞の形質が保たれていることが多い.したがって,造血器腫瘍の診断や病型分類に際して,形態診断や特殊染色に加えて免疫学的な形質解析を併用すると,詳細で確実な診断が可能である.造血器腫瘍の新WHO分類においても遺伝子や免疫学的表現型の解析が重視され,造血幹細胞移植や分子標的療法を含む多数の選択肢から,病型ごとの予後や治療反応性を考慮した治療方針の選択に役立っている.また,治療効果判定や,造血器腫瘍が他の組織に浸潤した場合の診断にも用いられる.
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