増刊号 新しい臨床検査・未来の臨床検査
各論
1.血液検査
ノート 新WHO分類
米山 彰子
1
1虎の門病院臨床検体検査部
pp.1083-1087
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101055
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新WHO分類とは
従来,急性白血病および骨髄異形成症候群の分類としてFAB分類(French-American-British classification)が広く用いられてきた.また,悪性リンパ腫の分類は時代とともに変遷し血液内科医にとってもわかりにくい点があった.1999年に発表され,2001年にその詳細が単行本として出版された新WHO(World Health Organization,世界保健機関)分類は,骨髄系・リンパ系を併せ白血病・骨髄異形成症候群からリンパ腫まで含んだ造血器腫瘍の包括的分類である.その作成には病理学者と臨床血液専門医が協同してあたり,形態所見に加えて免疫学的表現型や遺伝子異常が診断・分類に重視されていることが特徴である.
新WHO分類の概要
WHO分類では,大きく骨髄系腫瘍とリンパ系腫瘍に分かれ,骨髄系腫瘍が①慢性骨髄増殖性疾患,②骨髄異形成/骨髄増殖性疾患,③骨髄異形成症候群,④急性骨髄性白血病に,リンパ系腫瘍が,①BおよびT前駆細胞の腫瘍,②成熟B細胞腫瘍,③成熟T細胞・NK細胞(natural killer cell)腫瘍,④ホジキンリンパ腫(Hodgkin lymphoma)に分類されている.
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