検査じょうほう室 微生物 感染症検査の迅速化・5
抗原検査
久保 勢津子
1
1高根病院検査部
pp.860-861
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101004
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はじめに
感染症の病原体は,細菌,真菌,ウイルス,原虫,寄生虫と多岐にわたる.また,患者の背景も大きく変化している.症状から病原菌が推定される場合や重症で病原菌を早く知り,治療を開始したいと医師が望む場合は,当然ではあるが迅速な検査結果を要求する.臨床検査技師(以下,技師)は病原菌を早く同定して医師に報告したいと,その思いは同じである.
現在,検体から病原菌やその病原因子を抗原として,迅速に検出する方法が検出キットとして市販されている.特殊な機器を必要とせず,操作法と注意点とを守り,正しく検査を行えば経験の少ない技師でも正確な結果を得ることができる.しかも培養方法では結果が数日要する細菌,培養困難菌,ウイルスあるいは毒素などを15~60分間の短時間で結果報告ができる.これらの検査は初期治療に役立ち,入院日数の短縮など医療の経費節約にも役立つと考えられる.
今日,キットも多種類の製品が市販されている.一部の製品は高価であるが診断的価値と迅速性とから汎用されている製品もある.
本稿では,初診時の検査として短時間で診断できる抗原検査について紹介する.
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