けんさ質問箱Q&A
血清NTX測定でクレアチニン補正をする理由は?
三浦 雅一
1,2
1(株)三菱化学ビーシーエル研究開発部
2日本骨粗鬆症学会「骨粗鬆症診療における骨代謝マーカーの適正使用に関する指針検討委員会」
pp.569-571
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100934
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血清NTXを測定するとき,クレアチニン補正が必要な場合とそうでない場合とがあります.どういうときに,なぜ必要となるのか,その理由を教えてください.(東京都 M.K.生)
Ⅰ型コラーゲン架橋ペプチドとは
Ⅰ型コラーゲンは生体内では最も多いタイプのコラーゲンで,骨では有機基質の90%以上を占める主要な蛋白質である.このコラーゲン線維の構造を保持しているのが,コラーゲン線維内の三価のハイドロキシピリジウム架橋〔ピリジノリン(PYD)およびデオキシピリジノリン(DPD)〕で,これらは人体の多くのコラーゲン線維中に存在し,骨,皮膚,腱などに広く分布している.Ⅰ型コラーゲンは2本のα1鎖と1本のα2鎖とが3本らせん状にねじれ合ったヘリックス構造を形成しており,N末端部分(NTX)とC末端部分(CTX)に非らせんのテロペプチドを持っている.コラーゲンが成熟架橋であるピリジニウム架橋は,このN末端テロペプチド2本とヘリックス部分との間およびC末端テロペプチド2本とヘリックス部分との間には三価の架橋として形成される.これらの架橋成分は骨吸収によりⅠ型コラーゲンが分解されると,血中に放出され尿中に排泄されることから骨吸収マーカーとして注目されている(図1)1).
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