連載 失敗から学び磨く検査技術 病理標本作製法
細胞診のアーティファクト―検体採取,塗抹,固定に由来するアーティファクト―核線
阿部 仁
1
1慶應義塾大学医学部病理学教室
pp.542-544
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100925
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標本に見られる,この線のようなものは何だろうか.混じり込んだものなのか,それとも標本に由来するものなのか.
図1は喀痰のパパニコロウ染色(Papanicolaou stain)である.ヘマトキシリンに染色された線維状の物質が観察される.図2はリンパ節捺印材料のギムザ染色(Giemsa stain)である.パパニコロウ染色と同じような線維状の紫色の物質が観察され,核との移行像も見られる.これらは,核が壊れて線維状になったもので,核線といわれる.
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