技術講座 血液
血液細胞のPAS染色法と読みかた
阿南 建一
1
1独立行政法人国立病院機構九州がんセンター統括診療部臨床検査部
pp.1453-1457
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100898
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新しい知見
血液分野での細胞化学染色は全般にわたって新しい知見たるものは見当たらない.しかし,PAS染色は従来に比べると診断的意義が広範囲に活用されてきたといえる.すなわち急性リンパ性白血病(acute lymphocytic leukemia,ALL)におけるリンパ芽球,骨髄異形成症候群における赤芽球や小型巨核球,また骨髄転移性腫瘍(腺癌,横紋筋肉腫など)には有効な診断的所見として用いられている.ALLのなかではFAB分類(French-American-British classification)でL1の形態をとり,CD10陽性のB-pre ALL(従来のcommon ALL)のなかで過ヨウ素酸シッフ染色(PAS染色)強陽性例は予後良好とされる.
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