オピニオン
これからの臨床検査に思う
藍田 仁史
1
1横須賀共済病院中央検査科
pp.1256
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100853
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近年,わが国の医療情勢は大きな変貌を余儀なくされてきており,方向性こそ多少みえてきたものの数回にわたる保険点数の引き下げ,検査点数の「まるめ」化,さらにDPC(diagnostic procedure combination)は試行的段階から実施へと駒が進められており,まだまだ多岐亡羊としている状況です.当院もこれらの変化に即応すべく病院機能評価の認定取得,オーダリングシステムの導入,地域医療支援病院の認定取得,救命救急科の設立と急性期病院へと順次脱皮し,今後さらに新棟建設,電子カルテの導入を考え,地域の需要に合致した機能を持つ病院へと変貌しつつあります.
このような医療環境の激動期において,病院の中で臨床検査技師がどう在るべきかを考え,ビジョンを持って管理者と話し合う必要があります.また今こそ「臨床」検査技師という名のとおり,臨床サイドに出て行き職域を広げ,病院の中での自らの活動の場を拡大すべき時ではないでしょうか.これまでの検体検査を中心とした検査室内での仕事から病院全体に視点を移し,臨床検査技師の優れた資質(技術,知識,意欲,取り組む姿勢)を医師や周りのスタッフに認めてもらい,臨床に直結した検査技師を増やし,最終的には全員がチーム医療に対応できるスタッフになっていることが重要だと思われます.
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