増刊号 細胞像の見かた―病理・血液・尿沈渣
第2章 血液 骨髄塗抹標本の見かた
6.異常細胞の見かた
3)リンパ球系の異常(2)数の異常と形態異常―⑤悪性リンパ腫の白血化(1)
清水 長子
1
1慶應義塾大学病院中央臨床検査部
pp.1090-1092
発行日 2004年9月15日
Published Date 2004/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100799
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
悪性リンパ腫はリンパ細網組織に原発する非上皮性腫瘍である.
病理組織学的には,非ホジキンリンパ腫(non-Hodgkin's lymphoma,NHL)とホジキンリンパ腫(Hodgkin's lymphoma,HD)とに大別される.
組織に原発する疾患である悪性リンパ腫が疑われる症例において,末梢血,骨髄の形態学的検査を実施する理由として,主病変が精査困難なときに末梢血または,骨髄血中に異常リンパ球が認められればstageと判定され治療方法が異なるためである.
しかし,悪性リンパ腫のうちでも病型により末梢血,骨髄への浸潤する頻度は異なる.HDでは約3%の骨髄浸潤が認められるが,末梢血への浸潤は稀である.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.