技術講座 微生物
インフルエンザウイルスの検査法
山本 剛
1
,
吉田 文
1
,
中元 理絵
1
,
阪下 哲司
1
1西神戸医療センター臨床検査技術部
pp.623-631
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100666
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新しい知見
今シーズン,われわれは高病原性鳥インフルエンザ(highly pathogenic avian influenza,HPAI)により震撼させられた.2003年の11月に改正された感染症新法で,HPAIは新四類に分類された全数把握の報告対象となった感染症である.従来から,今まで検査対象となってきたインフルエンザウイルスはヒト型で主に呼吸器感染症を起こし,乳幼児から高齢者まで幅の広い年齢層で罹患する.特に乳幼児や高齢者が罹患した場合は重症化することもあり,しばしば致命的になることもある.
さらに,現在は隔地域的な散発例としての流行であるが,新種のインフルエンザウイルスが世界中で大流行し,ヒトに感染を起こすことになれば,危機的な状態となることは免れないであろう.臨床検査室も従来のヒトインフルエンザウイルスのみならず新種のインフルエンザウイルスの診断と,院内感染対策に貢献できることに努力していくべきである.
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