技術講座 血液
出血時間―適応と術式
田中 由美子
1
,
権藤 和美
1
1東海大学医学部付属病院臨床検査科
pp.247-252
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100491
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新しい知見
わが国では,手術前の出血傾向のスクリーニング検査として出血時間検査〔耳朶を使ったデューク法(Duke method,以下,Duke法)〕を実施している施設が多い.しかし,Duke法は再現性が悪く疼痛を伴い瘢痕を残し,さらに出血時間と手術時の出血量との相関が認められない.このため,手術前のスクリーニング検査としての日常的実施を中止する施設が増えている1).
出血時間検査は,問診による出血傾向の有無,家族歴,投薬の有無などを十分聴取したうえで,血小板機能異常症やフォンウィルブランド病(von Willebrand disease)が疑われた場合に実施すべき検査である.
血栓症においては,抗血小板薬の開発と臨床応用に伴い,抗血小板薬服用中の出血副作用の出現が危惧され,その予知,予防のためのモニタリングに出血時間検査が用いられている2).
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