検査じょうほう室 生理:超音波検査のステップアップ
肝臓
来住野 修
1
1埼玉医科大学病院中央検査部
pp.140-145
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100474
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近年,超音波検査においてドプラ法(Doppler method)の発展に伴いその診断能は向上してきている.従来のBモード法では判断に苦慮した血管性病変の診断や腫瘍の鑑別診断や肝細胞癌の治療効果判定などにも利用されている.したがって腹部領域においても症例によっては,カラードプラ法(color Doppler method)やパワードプラ法(power Doppler method)を用いた検査は当然行わなければならない.ドプラ表示も一見スイッチ1つ押せば的確な血流情報が得られるように思えるが,われわれ検査者の技量・知識の有無により,得られる画像には大きな違いが生じてしまう.
今回は,肝臓領域で行われるドプラ検査を中心にドプラ法の使用方法について述べる.一般的に,カラードプラを検査に併用する場合は,検査画像内に管腔像が観察されたときに,血管か胆管かを鑑別したい場合から,静脈瘤をはじめとする血管性病変や,腫瘤が存在したときに,その鑑別を目的として血流状態を観察することなどが多い.
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