連載 失敗から学び磨く検査技術 病理標本作製法
組織凍結の際に生じるアーティファクト―氷晶形成による組織の空胞化
吉村 忍
1
1防衛医科大学校病院検査部病理
pp.62-65
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100323
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こんなにたくさん穴のあいたような標本ができてしまった.
図1,2は同一肝臓組織の凍結切片ヘマトキシリン-エオジン像である.図1は細胞質の強度な破壊による空胞化,核の偏在など組織自体の判別もできない状態の標本である.図2は正常な肝組織は認められるが不自然な不定形巨大空胞化の目立つ像である.いずれも標本としてはアーティファクトの強い問題のある標本である.どうしてこうなったのだろうか.
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