増刊号 一線診療のための臨床検査
第II章 各論―検査編
1. 微生物検査
1)顕微鏡検査
(6)虫卵の検査
伊瀬 恵子
1
1千葉大学医学部附属病院検査部
pp.1171-1175
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100258
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検査の基礎1,2)
1 . 試料の取り扱い
虫卵の検査を行ううえで,検体の形状や患者背景を考慮して検査を進めることは重要である(図1).海外渡航歴や食習慣などを事前に知ることは最適な検査法を選択できて検出率を高めることにつながる.また,虫卵は1種類だけではなく,原虫などと複数種寄生している場合がある.下痢症などでは,赤痢アメーバやジアルジア(ランブル鞭毛虫)の栄養体の運動性を排便後30分から1時間以内に直接塗抹法で検鏡確認することが重要である.また,検出した寄生虫はホルマリン固定し,検査終了後の検体は感染性廃棄物として焼却処分することが必要である.
2 . 検査方法の概略とポイント(表1)
1) 直接塗抹法
スライドガラスに生理食塩水を1滴落とし,糞便を少量採る.十分混和後,カバーガラスを載せ,200倍で検鏡する.
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