増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学
III 一般検査
総論
2 顕微鏡標本の作製法
2 寄生虫(原虫・虫卵)
伊瀬 恵子
1
,
澤部 祐司
1
,
野村 文夫
2
1千葉大学医学部附属病院検査部
2千葉大学大学院医学研究院分子病態解析学
pp.1006-1009
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102571
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はじめに
従来,わが国では回虫症に代表される土壌伝播寄生虫症が蔓延していたが,公衆衛生対策の徹底や国民の公衆衛生に対する意識の向上で寄生虫症1)が激減した.しかし,近年のわが国の国際化に伴い,以前はみられなかった輸入寄生虫症が増加しており,それらを念頭に置いて検査を行う必要がある.また,寄生虫検査を行う前に,患者の渡航歴や食習慣,現在の症状などの患者情報を得ることが最適な検査法を選択することにつながり,検出率を高めることになる2~4)(図1).
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