臨床検査技師のための実践医療データベース論
第11章 データベースプログラミング
片岡 浩巳
1
1高知大学医学部附属病院検査部
pp.1421-1426
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100175
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はじめに
前章では,感度と特異度とを計算するのに必要な,真陽性数,偽陽性数,偽陰性数,真陰性数についてSQLを使って求める方法を解説した1).これらの計算を繰り返し集計することにより,ROC(receiver operating characteristic curve,受信者動作特性曲線)を描くことができることが理解できたと思う.しかし,前章までの方法では,繰り返し計算を手作業で行わなければならない問題があった.本章では,SQLとプログラミング言語との連携で複雑な処理手順を自動化する事例として,ROCの自動作成システムを題材に解説を行う.
このシステムを利用すると,項目コードと病名とを入力して開始ボタンを押すだけで作図することができる.この方法は,EXCELに付属しているVisual BASICを使って,SQLで集計した結果をスプレッドシート上に展開し,そのデータに基づいて作図を行う基本的なプログラミング法である.データベースプログラミングのもう一つの手法として,無料で利用可能な統計パッケージとして知られているRを用いた解析法を紹介する.このRは,非常に優れた統計パッケージで,SQLとの連携により,データベースに格納されたデータを多角的に解析できるシステムである.
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