検査じょうほう室 生理:超音波検査のステップアップ
心臓疾患(弁膜症)
高橋 秀一
1
1天理よろづ相談所病院臨床病理部
pp.1416-1420
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100174
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はじめに
心臓には四つの腔があり血液は一方通行でスムーズに流れている状態が正常心臓で,その一方通行を制御しているのが左心系では僧帽弁,大動脈弁,右心系では三尖弁,肺動脈弁である.これらの弁は心臓の収縮拡張に伴って開閉し,スムーズに逆流することなく機能している.ところが,なんらかの原因で弁の開放が制限されると「狭窄症」,また弁の閉鎖がうまくいかず逆流が生じると「閉鎖不全症」と呼ばれ,両方の病態を有する「狭窄症兼閉鎖不全症」もあり,これらを総称して弁膜症と呼んでいる.
本稿では,弁膜症のすべてを網羅することは困難であるので重症度評価や定量的評価は割愛し,最近の傾向を捉えた心エコー検査の実際を解説する.
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