検査じょうほう室 生化学:臓器マーカー
腎疾患マーカー
上原 由紀
1
,
矢内 充
1
1日本大学医学部臨床検査医学教室
pp.668-670
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100065
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はじめに
腎臓は腰背部の後腹膜腔内に左右一つずつ存在し,内部は糸球体およびそれに続く尿細管から構成されるネフロンと呼ばれる基本構造の集合で成り立っている.腎臓は,ネフロンからの尿の生成によって水分や電解質の調整を行い体液の恒常性を維持するほか,さまざまなホルモンの産生も担っている.
腎疾患は,検診や外来で尿検査を行った際に偶然異常が見つかるという場合が最も多い.時には浮腫や尿の肉眼的異常,末期腎不全における尿毒症症状などの自覚症状が出現したり,高血圧や貧血などの他覚症状を呈したりして発見される場合もある.現在,非常に多くの検査が腎疾患マーカーとしてその有用性を報告されている(表).本稿ではこれらのうち特に検査を行ううえで注意すべき点,最近話題になっている点について解説していく.
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