Senior Course 細菌
—病原性球菌の分離,同定—黄色ブドウ球菌—分離から同定,型別まで—Ⅲ
近藤 勇
1
,
町田 勝彦
1
1慈恵医大・細菌
pp.680-681
発行日 1975年6月15日
Published Date 1975/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917716
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黄色ブドウ球菌の型別
ブ菌感染の問題の難しさの原因の一つはその分類の不備にある.そのことは同じ膿球菌(pyoccus)の仲間であるレンサ球菌の場合と比較してみれば容易に理解できるであろう.
ブ菌の場合,Cowanによる血清学的分類の流れはいまだに続けられているにせよ,レンサ球菌のそれとはおよそ比較にならぬ現状である.現在,最も広く行われているブ菌の分類法はファージに対する感受性をもとにしたいわゆるファージ型別法(phage typing)である.しかしこれも黄色ブ菌のほとんどに内在するプロファージの動態に伴う型別の変動や,いわゆる型別不能群の問題やらを含み,実際にその経験をもつ人ならだれでも多くの不満をこの分類に抱いていることも事実である.
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