Senior Course 細菌
—病原性球菌の分離,同定—βレンサ球菌の分離,同定,型別法 Ⅰ
宮本 泰
1,2
1神奈川県衛生研究所細菌病理部
2WHOレンサ球菌国内リファレンスセンター
pp.114-115
発行日 1975年1月15日
Published Date 1975/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908860
- 有料閲覧
- 文献概要
血液カンテン平板の上で集落周辺に完全透明な溶血環(β溶血)を形成し(図2),液体培地に沈殿様発育を示し,カタラーゼ反応陰性(-),検鏡によりグラム陽性の連鎖状配列を示す菌をβレンサ球菌,溶血性レンサ球菌(溶連菌)などと呼ぶ.同じく鼻咽腔フロラでしばしば本菌に随伴して同時に検出される緑色レンサ球菌(緑連菌;viridans streptococcus)とはその名のとおり溶血環(緑色)の肉眼的観察の相違により区別できる.溶連菌はその細胞壁多糖体(C多糖体またはC物質という)の種類によりA〜H, K〜Tなどの18群(group)に分類(群別)する.これらのうちヒトからの分離頻度の多いものとしてABCDGFLなどがあげられる.このうちヒトの病原菌として最も普遍的なA群はその細胞壁タンパク質(MタンパクおよびTタンパク)により型(type)を区別(型別)する.ここではA群を中心としてβ溶連菌の検査術式について述べる.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.