特集 癌の臨床検査
総説 癌の新しい知見
漆崎 一朗
1,2
Ichiro URUSHIZAKI
1,2
1札幌医科大学内科学
2東札幌病院清田内科消化器科病院
pp.1245-1252
発行日 1989年10月30日
Published Date 1989/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917591
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
「癌の新しい知見」というテーマが与えられたが,基礎研究から臨床研究に及ぶきわめて広範囲でしかも高度に進歩している癌の研究領域において,最近の新知見を網羅することは,きわめて困難な仕事であるといわざるをえない.幸いにも,今回の増刊号の意図するところは「近年特に進歩している癌の診断・治療の側面のうち臨床検査が関係する知見を内容とすることにした」ということであるので,この方向に限ることにした.
さて,この癌の臨床検査の分野はご承知のように分子生物学,生化学,免疫学の日進月歩の発展により新しい知見が集積されつつある研究領域であり,本号においても発癌ウイルス,癌関連ウイルスに始まり,癌遺伝子,各種腫瘍マーカー・病態検査,癌の検診に及ぶ,多くのトピックスが取り上げられている.これらとの重複を避け,紙幅を考慮して,以下の5項目を選択したことをお許し願いたい.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.