特集 リポ蛋白・脂質代謝と臨床検査
3 脂質検査
3.リン脂質
谷口 正子
1
,
坂上 利夫
1
Masako TANIGUCHI
1
,
Toshio SAKAGAMI
1
1札幌医科大学生化学教室
pp.1291-1297
発行日 1985年11月1日
Published Date 1985/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917512
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はじめに
リン脂質は肝ミクロゾームで生合成され,アポ蛋白,コレステロール,糖脂質などとともにリポ蛋白を形成し,血中に放出される.血漿中で,また各組織へ運ばれて,その機能を果たす.
血漿中におけるリポ蛋白リン脂質の機能として,LCAT注1)活性の基質であるということのほかに,赤血球へのリン脂質の供給という重要な役割がある.血漿リン脂質の増減や血漿リポ蛋白の異常によって,赤血球脂質の異常やそれに伴う形態異常,ひいては赤血球の機能の異常が引き起こされることは,よく知られている.
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