Japanese
English
研究
インフルエンザ患者の血清学的診断;—最近の流行株によるHI試験とSRCF試験を用いた解析
Serodiagnosis of Influenza Patients: Assay by HI-test of Recent Epidemic Strains and SRCF-test
芝田 充男
1
,
浅野 礼子
1
,
根津 ヒロ子
1
,
阿部 昭也
1
,
高木 るみ子
1
,
大野 祥子
1
,
佐藤 征也
2,3
Mituo SHIBATA
1
,
Reiko ASANO
1
,
Hiroko NEZU
1
,
Shoya ABE
1
,
Rumiko TAKAGI
1
,
Shoko ONO
1
,
Seiya SATO
2,3
1新潟県衛生公害研究所
2デンカ生研株式会社
3富山医科薬科大学医学部ウイルス学教室
1Niigata Prefectural Reserch Laboratory for Health and Environment
2Denka Institute of Biological Science
3Dept. of Virology, Toyama Medical, and Pharmaceutical University Faculty of Medicine
pp.963-968
発行日 1985年8月15日
Published Date 1985/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917497
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はじめに
インフルエンザ患者の診断にはウイルス分離と血中抗体の有意上昇を確認することで行われている.血清学的検索には血球凝集抑制(HI)試験と補体結合(CF)試験があり,HI試験が一般的に用いられている.しかし,HI試験では被検血清のインヒビター除去が必要であり,抗原には最近の流行株を用いなければならないなどの問題1)がある.
われわれは1983年のインフルエンザA (H3N2)型および1984年のA (H1N1)型流行に際し,患者からのウイルス分離とHI試験を行い,ウイルスが分離されたにもかかわらず,標準株に対するHI抗体価の上昇しない症例がみられた.そこで,流行からの分離株によるHI試験と佐藤2,3)らによる一元放射補体結合(single radial complement fixation:SRCF)試験を用い解析を行ったところ,SRCF試験は有用性の高いことが認められたので報告する.
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