今月の主題 自己免疫病
技術解説
抗核抗体の蛍光染色
鏑木 淳一
1
,
本間 光夫
1
Jun-ichi KABURAKI
1
,
Mitsuo HOMMA
1
1慶応義塾大学医学部内科
pp.243-248
発行日 1983年3月15日
Published Date 1983/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917407
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抗核抗体の検出方法の一つとして,蛍光抗体法はすでに20年以上の歴史がある.そして,良好な感度,容易な手技のために,現在も広く日常の診療の際に利用されている.蛍光抗体法の手技には直接法,間接法,補体法などがあるが,間接法がもっとも一般的である.抗核抗体の蛍光染色型は均質型(び漫性)〔Homogenous (Diffuse)〕,辺縁型(膜性,粗毛状)〔Peripheral (Membranous, Shaggy)〕,斑状型〔Speckled〕,核小体型〔Nucleolar〕の各染色型に大別される.均質型の対応抗原はデオキシリボ核蛋白であり,全身性エリテマトーデス(SLE)をはじめとする膠原病,慢性活動性肝炎などに陽性例がある.辺縁型の対応抗原は二本鎖・一本鎖DNA,可溶性核蛋白(soluble nucleoprotein;SNP)であり,活動期SLE,特に腎症例にみられる.斑状型の対応抗原はいわゆる可溶性核抗原で,SLE,強皮症(PSS),MCTDなどで陽性例が多い.核小体型は低分子RNA,核リボゾームがその対応抗原で,PSS, Sjö-gren症候群に陽性例が認められる.
抗核抗体測定により,膠原病各疾患の診断,病型の分類,予後の推定は可能である.
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