研究
生検スタンプ細胞と洗浄細胞との形態学的差異—胃細胞診スクリーニングにあたって
渡部 庸一
1
1国立がんセンター病院・臨床検査部細胞検査室
pp.1103-1106
発行日 1968年12月15日
Published Date 1968/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917275
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細胞診における悪性細胞の判定は,従来からいわれているように,細胞の集塊状出現,大小不同,重積性,細胞の巨大化,不整形,染色性の変化,N/C比の増大,核形不整,核膜の不均等肥厚,クロマチン増量,クロマチンの分布不均等,核小体肥大など1-4,8)をもってしているが,これらの項目のうち,あるものは正常細胞の変性によっても出現することがある。逆にまた,最近のように,直視下生検スタンプや,術中細胞診を行なうようになると,明らかな癌腫そのものの細胞の中に,たとえば核膜肥厚の全く認められないものも出現する。これらのことは,胃細胞診を行なう者にとって,はなはだ重要なことであるが,この間の事情について,あまり明確な記載がないため,実際には,迷うことが少なくない。そこで私は,実際に自分で行なっている材料の中から,この間題を解決するために次のように検討を行なった。
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