技術解説
皮膚反応の検査
宮本 昭正
1,2
1国立相模原病院第3内科
2アレルギーセンター
pp.1063-1068
発行日 1968年12月15日
Published Date 1968/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917261
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アレルギー性疾患の病因の決定には,注意深い病歴の聴取が大切であるが,しかし必ずしも全例において病歴のみから病因が決定されうるわけではない。したがって,病因の決定には種々の検査が必要である。しかもたとえ病歴から病因が疑われても,その裏づけとしての検査も必要となってくるわけでって,皮膚反応はその目的のために現在広く用いられている。
皮膚反応において特に強調されねばならないことは,皮膚反応の陽性を示す抗原が必ずしも病因的抗原ではなく,陰性を示すものが必ずしも病因的抗原から除外されえないという点である。皮膚反応が強く陽性を示す抗原が,実際に病因的抗原である可能性は,皮膚反応の陰性である抗原よりもはるかに高いが,しかしあまり強く陽性でなくても,病因として重要である場合がある。特に食餌性抗原では吸入性抗原に比して,そのような場合が多い。したがって,皮膚反応はあくまでも病因的抗原決定のための補助手段であって,最終的なものではない。
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