技術講座 生化学
無機リンの測定法
伏見 了
1
1大阪大学病院中央臨床検査部
pp.137-140
発行日 1987年2月1日
Published Date 1987/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203985
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リンは成人で約500g含有し,その80%がカルシウムとともに骨を形成している(hydroxyapatite,Ca3(PO4)2・Ca(OH)2).リンは生体内有機化合物の代謝に重要であり,骨の形成をはじめATPに代表される高エネルギーリン酸化合物を作ってエネルギーの放出や蓄積を行っている.さらに,核酸およびリン脂質などの代謝にも関与し,また細胞内外における〔H+〕濃度の維持(酸塩基平衡)にも役だっている.
血清中にリンは無機リン酸,リン脂質および有機リン酸エステルなどの形で存在しているが,臨床診断学上重要なのは無機リンで,その割合はHPO42-(約80%),H2PO4-(約20%)である.副甲状腺機能低下症,腎不全およびビタミンD過剰症などで無機リンは増加し,副甲状腺機能亢進症,クル病および骨軟化症などで減少する.
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