入門講座 血液
採血手技の基本
寺田 秀夫
1
1昭和大学医学部臨床病理学
pp.141
発行日 1967年2月15日
Published Date 1967/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917108
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血液検査の採血のさいには,あらかじめ検査の目的をよく話し,また患者のなかには採血を厭がる人も多いが,10〜20mlの採血が生体に対して全く影響なく,正常な骨髄は7〜8倍の予備造血能をもっているから,ただちに補給され全く心配のいらないことを説明してやるとよい。小児の採血の場合は患児は泣き騒ぐことが多いから,気嫌をとりながら動かないように採血部位の固定に努め,また時に患児の母親の協力も必要とする場合がある。採血した血液はその使用目的により用いる抗凝固剤が異るから注意する必要がある。
血球成分は生理的にも種々の条件,たとえば食事や運動などで変化しやすいから,同一患者でくりかえし検査する場合は,同じ条件で採血することが望ましく,生化学的検査の目的では,早朝空腹時に採血することが原則である。
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