研究
ゴナビスを用いた免疫学的妊娠反応の信頼性について
文屋 誠二
1
,
井口 祥三郎
1
,
川西 純暉
1
1総合病院岡山赤十字病院臨床検査部
pp.375-377
発行日 1966年4月15日
Published Date 1966/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917021
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緒言
試験管内で妊娠の早期診断,あるいは妊娠反応を迅速簡便に行なえるということは,産婦人科医,およびFriedman氏反応などで直接動物を扱かい,その労力的,時間的不便さに積年の嘆きをかこっていた検査技師にとって,長年の念願であったが,最近,免疫学的妊娠反応の研究発達により,妊娠反応の革命的簡便法がルーチンに行なえるようになった。免疫学的妊娠反応には大別してSchuyler(1950)およびMc Kean(1960)らによる沈降反応,Brody(1960)らによる補体結合反応,Wide & Gemzell(1960)らによる血球凝集抑制反応などがあるが,操作の比較的短時間,簡易性,高感度特異性を有する血球凝集抑制反応が主として行なわれているようである。Wideらは1960年本反応に関しての学説を発表,つづいて1962年反応条件を多少変更して3000件に達さんとする検討を行なって以来,外国はもとより国内においても多くの追試が行なわれてきた。すなわち赤血球凝集抑制反応によるH. C. G.(人絨毛性性腺刺激ホルモン)の検定法である。近年になりこれに用いる抗血清やH. C. G. 感作血球の凍結乾燥の技術的進歩は,この保存をより安定化し,最近では我国でも,外国製品に損色なき優秀な国産製品も市販されるようになった。
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