今月の主題 眼科画像検査―最近の進歩
話題
テレビゲームとてんかん発作
高橋 剛夫
1
Takeo TAKAHASHI
1
1八乙女クリニック
キーワード:
光過敏てんかん
,
テレビゲームてんかん
,
光突発波反応
Keyword:
光過敏てんかん
,
テレビゲームてんかん
,
光突発波反応
pp.1361-1363
発行日 1993年12月15日
Published Date 1993/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916952
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1.テレビゲームてんかん
1981年,ロンドンの神経科医Rushton1)が,テレビゲーム中に全身のけいれん発作が誘発された1例(17歳,男性)をスペース・インベーダーてんかん(“space invader”epilepsy)と呼んで報告した.以来,同様の症例報告が散見され,欧米では現在,ビデオゲームてんかん(video-game epilepsy)あるいはコンピューターゲーム発作(computer game seizures)の呼称が一般的である.わが国では1989年,小児科の前田2)がテレビゲームてんかん7例について報告し,その後,国内で論文として発表された症例は福迫ら3)の1例,佐藤ら4)の7例,村中ら5)の4例,筆者6)の11例,合わせて30例である.
表1は国外・国内報告例と自験14例(その後3例を新たに経験)の比較である.計43例中,男性38例,女性5例であり,男性が女性より7.6倍も多い.1回限りの発作は23例,2回以上の発作は20例である.脳波検査では正常が9例(21%),異常が33例(77%),うち18例(42%)に光突発波反応(photoparoxysmal response)が誘発されている.光突発波反応の出現率を平均年齢に比較すると,低年齢である国外・国内報告例がそれぞれ50%,53%と高率なのに対し,高年齢である自験例は21%の低率である.
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