研究
コレステロール定量用濃硫酸使用による血清総コレステロールの定量
樋口 かをる
1
,
下沢 三千代
1
,
那須 倫子
1
,
中村 正登
1
,
永井 諄爾
1
HIGUCHI KAORU
1
,
NAGAI JUNJI
1
1九州大学医学部付属病院中央検査部
pp.568-570
発行日 1964年7月15日
Published Date 1964/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916789
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血清コレステロールの定量には古くはBloor1)の方法があり,ついでSchönheimer-Sperry2)あるいはSperry-Webb3)の方法が標準法として採用されてきた。これらの標準法は失水酢酸と濃硫酸とによるコレステロールの発色を比色定量するのであるが,このとき生じる青色は不安定であり,満足できる結果を与えにくいものである。
また古くはKiliani4)微量の塩化第二鉄と濃硫酸とによってコレステロールが赤紫色に発色することを観察していたが,1957年Zak5)とHenly6)とはそれぞれこの呈色反応を血清コレステロールの定量に応用し,その呈色が安定であるため,わが国ではいわゆるZak-Henly法あるいはその変法として,現在臨床検査に広く採用されている7)。
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