技術解説
リケッチアの血清反応
川村 明義
1
KAWAMURA AKIYOSHI
1
1東京大学伝染病研究所第二細菌研究部
pp.274-279
発行日 1964年4月15日
Published Date 1964/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916749
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Rickettsは1909年にロッキー山紅斑熱患者の血液塗抹標本に桿菌様小体を認め,1910年にWilderとともに発疹チフス患者に付着していたシラミの塗抹標本に同様の小体を発見,報告したのがリケッチアについての最初の記載で,次で発疹チフスの研究中同様の微生物を確認したda Rocha-Lima1)により,病原体を本病研究の尊い犠牲となったF. T. RickettsとS. von Prowazekの名誉のためRikettsia Prowazekiと命名されたのがこの属の名称の起源である。以来発疹チフスおよびその類似疾患(リケッチア症という)の一群の病原体をリケッチアと呼ぶようになった。
本症を確実に診断するには,患者より病原リケッチアを分離同定することが望ましいが,これは必ずしも容易ではない。普通,血清反応により診断19)が行なわれている。
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