研究
赤血球沈降速度測定法に関する一知見—血柱の高さによる値の変化ならびに測定簡易器具の考案
平峰 繁
1
,
山本 愛子
1
HIRAMINE SIGERU
1
,
YAMAMOTO AIKO
1
1国立療養所貝塚千石荘研究検査料
pp.70-72
発行日 1964年1月15日
Published Date 1964/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916716
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はじめに
赤血球沈降反応(以下赤沈と略す)は非特異性の生物学的反応として,結核をはじめあらゆる疾患に際してもっとも多く行なわれている検査のひとつであり,その測定方法は一般にWestergren法が一番普及しているようである。本法は一定の割合に抗凝固剤を加えた血液を注射器から直接注入または口で測定管(以下赤沈棒と呼ぶ)に吸引した後,200mmの高さにある0点に合わせて赤沈台に立てていくものであるが,この方法では,1)初心者はもちろんのこと,熟練者といえども0点合わせはなかなか厄介なことであり,とくに50件,100件といった集団検査の際はこのために非常に時間がかかる。
2)最初0点にきちんと合わせても,赤沈台に立てた際,台ゴムの隙間などから血液がもれて,せっかく合わせた液面が0点から下がることがしばしばあり,このような際には読取りのときにずれた分だけ暗算などで補正しなければならない。
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