技術解説
GOTmの測定
大久保 昭行
1
1東京大学・中央検査部
pp.1424-1431
発行日 1977年11月15日
Published Date 1977/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914578
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心筋梗塞後数日間血清GOT活性が上昇することをLaDueら1)が1954年に報告して,疾病に伴う血清GOT活性値の変動が注目されるようになった.翌1955年にはWröblewskiら2)が肝炎の際にも血清GOT活性が上昇することを認めた.GOTは心筋・肝以外にも骨格筋・腎細胞に高い活性が認められる.しかし臓器に特異なアイソザイムはなく,血清中のGOTの由来臓器は臨床所見や他の検査データを総合しないと診断できない.
1960年Fleisherら3)はイヌの心筋抽出液の濾紙電気泳動で易動度の異なる2種類のGOTアイソザイムの存在を認めた.この2種類のGOTアイソザイムのうち,陽極側に泳動するものは細胞上清分画(GOTs)に,陰極側に泳動するものはミトコンドリア(GOTm)に局在するものであることが,Boyd4),勝沼ら5),森野と和田6)によって証明された.
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