研究
Chloride Meterによるクロール定量法の検討
池辺 正
1
,
佐々木 禎一
1
1札幌医科大学附属病院中央査検部生化学部門
pp.1281-1286
発行日 1966年12月15日
Published Date 1966/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916638
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"EEL"Chloride Meterによるクロール定量につき,基礎的諸条件を検討して次の成績を得た。
1)高濃度のブドー糖,尿素,ビリルビンの混在,溶血,および他イオン(Na+,K+,Ca++,HCO3—)の共存は測定値に影響を与えなかった。
2)添加するゼラチン滴下数の多少の減少,および酸緩衝液の温度(5,15,および38℃)も影響を与えない。
2)本器は再現性も良好で(C.V.=0.4%),また数種の標準血清の実測成績からみて,きわめて正確なクロール測定器であることが知られた。
4)銀電極セットの若干のずれは測定値に影響を与えなかったが,銀電極の酸緩衝液に入る程度(酸緩衝液量を反映する液面の高さ)を一定にしなければ測定値は変動する。
5)酸緩衝液による盲験値を補正しておくと検量線は理論曲線と合致する。
6)電極は常に清浄にしておくべきである。
7)測定値は従来のSchales&Schales法による成績との間に高い相関性を示した(r=0.981)。
8)上記の成績から二,三の点に留意しさえすれば高度の熟練を必要とせず,容易に血清中,尿中,必要によっては胃液などの生体試料中のクロールを精密かつ正確に測定し得る極めて優れた自動迅速測定器であるといえよう。
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