講座 臨床血清学講座Ⅴ
各論(1)—連鎖球菌感染症の血清学
福岡 良男
1
,
安藤 清平
1
1東京医科歯科大学中央検査部血清
pp.1258-1266
発行日 1966年12月15日
Published Date 1966/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916633
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I.連鎖球菌の抗原
連鎖球菌の感染が直接的に,あるいは間接的に病因となる疾患は数多くあり,扁桃炎,猩紅熱,丹毒,産褥熱腎炎,リウマチ熱などが知られている。これらの疾患の原因となる連鎖球菌はβ型溶血を示す溶血性連鎖球菌(以下溶連菌と略す)であり,血清学的分類からみれば90%以上がA群に属している。A群連鎖球菌には種々の抗原性物質が存在するがそれをまとめると表1のごとくなる。表に示したごとく連鎖球菌は菌体成分のみならず,細菌の産生する物質に多種類の抗原性物質が存在するために,連鎖球菌感染症においては実に多種類の抗体の産生が認められるる。
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