講座 臨床血清学講座XIII
各論(10)—慢性関節リウマチの血清学
福岡 良男
1
,
安藤 清平
1
1東京医科歯科大学付属病院中央検査部血清
pp.819-826
発行日 1967年11月15日
Published Date 1967/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916255
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歴史
Meyer(1922)は肝硬変症,および慢性気管支炎患者の血清中に抗ヒツジ赤血球ウサギ血清で感作したヒツジ赤血球(以下感作ヒツジ血球と略記する)を凝集する因子を発見し,Agglutination fordernde Substantzと名付けたが,このような凝集因子が慢性関節リウマチ(リウマチ様関節炎,以下RAと略記する)患者の血清中に存在することを発見したのはWaaler(1940)である。Waalerはこの因子をAgglutination activatingfactor(AAF)と名付けた。これが今日のリウマチ因子(RF)である。
その後,Rose(1948)もWaalerと同様の成績を発表し,これが後にWaaler-Rose反応(Rose反応)として臨床に広く用いられるようになった。しかしWaaler-Rose反応は患者血清中に含まれているヒツジ赤血球に対する正常異種凝集素の影響をうけるので,Jawetzら(1949)はウシ血球とモルモット腎を用い,またHellerら(1949)とSvartzら(1952)はヒツジ赤血球を用いて患者血清中のヒツジ赤血球に対する正常異種凝集素を予め吸収し,それに感作赤血球を加えて凝集素価を測定する方法を考えだした。Hellerらの方法がHeller-Svartz法として現在広く用いられている。
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