特集 血液検査の問題点
17 線溶能測定の問題点
風間 睦美
1
1東大吉利内科
pp.969-974
発行日 1968年12月1日
Published Date 1968/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916555
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はじめに
線維素溶解現象(線溶)は線維素(フィブリン)や線維素原(フィブリノゲン)が溶解する現象であるが.生体内でのこの現象は医学各領域における諸疾患に伴い変動することはもちろん,きわめて日常われわれの体内でくりかえし起こっているものであり,ときとして異常亢進をきたし.ショックや出血などの重篤な状態を惹起する。
この線溶を測定する方法は,現在まで多数報告されて枚挙に暇がないが,実際に臨床的に使用されている測定法は限られており,それぞれの利点と短所があって,われわれはそれらをいくつか組み合わせて測定を行ない,得られた成績を総合判定し,複雑な線溶の内側をうかがおうとするものである。
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