特集 血液検査の問題点
広視野油浸レンズの要望
天木 一太
1
1日大・萩原内科
pp.879
発行日 1968年12月1日
Published Date 1968/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916538
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中央検査室での検査の特徴は,多数の検体を処理する能率が要求されることである。この点,血液学的検査は1個1個の細胞を扱うので,能率の悪いものが多い。血球計算がしだいに自動化されていることは,まことに幸いなことであるが,血液像の分類となると,どうしても個々の細胞を見なければならない。短時間に多数の細胞をみたいわけであるが,油浸レンズ,90×,100×は能率がよくない。まずno cover glassの40×でみて,問題のある細胞だけを油浸レンズでみなおすという人もあるが,このレンズは光輝部と影ができて,白血球観察には適当でない。塗抹標本にカバーガラスをかけたり,薄く平坦に油を塗って,ふつうの40×レンズでみる人もあるが,やはり不便である。
ツァイスやライツでは,古くから60×,70×の油浸レンズを発売しており,視野も90×にくらべれば少し広かった。
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