私のくふう
チルク氏液の沈渣染色への応用
渡辺 茂夫
1
1福知山鉄道病院検査室
pp.589
発行日 1968年8月15日
Published Date 1968/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916459
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尿沈渣の検鏡にはいろいろな方法が発表されているが,身近にできるものはなかなか見当たらない。そこで,血液に用いるチルク氏液を思いつぎ,血尿中の白血球の判定に利用した。この液によって細胞はよく染色分類されたが,赤血球はほとんど消失してみられない。しかし,これによって赤血球と白血球の区別を説明することができるのが特徴である。
沈渣のなかにたまたまトリコモナスを発見することがあるが,チルク氏液では原虫の動きを固定して,このために判別ができなくなる恐れがある。原虫の動きと,生体は染色されにくいという2点を取上げ,次のように染色液を作った。
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