入門講座 共通
論文の書き方Ⅱ
天木 一太
1
1日大医学部萩原内科
pp.200
発行日 1968年3月15日
Published Date 1968/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916371
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1.論文の形式
論文には長さ,形式など,内容によっていろいろの場合がある。大論文のときには,緒言(はじめに),材料と方法(実験方法),実験成績,考案,結論,および総括,それぞれ項を改めて書くことが多い。短い論文のときにはそれを適当に簡略化して書く。長い論文は一般に嫌われるから,その方がよい場合が多いが,内容の中に前にあげた項目が適切に入っていることが必要である。緒言では従来の考え方や実施されている方法,その論文の目的を書き,さらに結論を一言で記しておくこともある。総括は全体を簡単にまとめたもので,論文を書いているときは無駄のように感じることもあるが,大切なものである。現在毎月おびただしい論文が発表されていて,一般の人はそれに目を通すのは容易でない。総括で論文のおよその内容を知り,必要と思えば全文をゆっくり読むのである。総括という項をつくらない場合には,緒言か結論のところで総括にあたるものを,わかりやすく書いておくようにする。
論文はできるだけ理解しやすく,読みやすく書くように努める。各項には番号をつけておくが,その順序はおよそきまっている。
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